2012年5月4日金曜日

韓国経済の歪み:FTAへのあせり

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韓国経済は急速に悪化している。
財閥企業の一部だけが突出しているのが韓国経済。
朝鮮日報によれば韓国経済の1/4近くはサムスングループが支えているという。
そしてその身内が抱える資産は韓国国家の富の1/3に迫るという。

朝鮮日報 記事入力 : 2012/04/25 10:32
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/25/2012042501094.html
【社説】国民に対する礼儀を失ったサムスン家一族


表面的数字にはこの財閥企業の数字しか現れてこないので、あたかも韓国経済は好調のように見える。
が、内情は危うさと紙一重。
なんとかやっていけるのは中国との経済関係のウエイトが大きくなっているため。
よって中韓のFTAにやったらと積極的なのは国家の存亡がかかっているためである。
中国経済はこれからピークから減速時代へと入っていく。
そのとき韓国はどうなるだろうか。
残念ながらすべてにわたって明るい未来は描けないのが今の韓国。

日本より急速やってくる老齢化、若者層の男女数の不均等、そしてあまりにも高くなってしまった大学進学率など。
やたらと派手な目先だけを追いかけてしまったため、対応が後手後手に回っており、気がついたらとんでもないことになってしまっていた、なんてことが本格的にささやかれているのが実情。

そしてたよりの技術が遅れている。
スマホでウハウハしているが、そのソフトはgoogleからの借用。
ハード技術はアップル技術のコピー。
シビアなところでは、ロケットは打ち上げられないし、戦車も国産技術開発ではギブアップして、中枢部のパワーパックをドイツから輸入している。
宇宙技術なら止む得ないが、地面を走る戦車をフル国産できないとなると、テクノロジー全体に明らかなハテナマークがあちこちに点灯してしまう。
技術が一人前になる前に、急速落下がこないか心配な韓国である。

どうみても未来が暗い。
と言っても、多くの日本人は「韓国が危ういって?」と、誰も信用しないが。
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」はそのへんを的確に言い当てている。


JB Press 2012年4月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35109

就職難に苦しむ韓国の大卒者財閥の海外シフトで人気就職先がいよいよ狭き門に

経営学の学位を持つ29歳のオウさんは、自分のことを珍しい存在だと思っている。
韓国の有力コングロマリット(複合企業)で仕事を得るために、たった50件しか応募していないのだ。
「大半の人は100件くらい応募していますよ」
とオウさんは冗談を言う。

採用される確率を高めるために、オウさんは大勢の大卒者と同様、予備校に入った。こうした予備校では学生たちが、サムスン電子や現代自動車といった財閥(チェボル)と呼ばれるコングロマリットに応募する際に有利になるよう、英語や中国語に磨きをかけている。

多くの人はオウさんのように、いい仕事につけないことを恥じて、フルネームを明かすのを拒む。

オウさんたちが直面している問題は、韓国経済にとって最大の難題の1つだ。
全員に行き渡るほどの財閥の仕事が存在しないのだ。

中国やブラジルなどに成長を求める韓国の財閥

韓国では、30歳未満の公式失業率は8.3%で、全国平均の2倍以上に上る。
また、韓国人の80%以上が高等教育を受けるが、財閥が生み出す雇用は全体の10%程度にとどまっている。
韓国の若者、そして経済全体にとって最も懸念されるのは、韓国産業界の著名企業が次第に新たな成長を海外に求めるようになっていることだ。

サムスン電子は中国の西安市に総工費70億ドルのメモリーチップ工場を建設しようとしている。
サムスンは中国国内で140以上の生産、研究、小売拠点を展開しており、西安工場は最新施設となる。

現代自動車の最新の大型工場はブラジルにある。
米国、ロシア、インド、中国にある大型工場に続くものだ。東南アジアに向かう大手韓国企業も増えている。

その結果、「大半が失業者の20代」を意味するイテベクと呼ばれる若者は、韓国国内の中小企業に就職機会を求めるようになったが、1950年代の朝鮮戦争の残骸から国を立ち直らせた高度成長はとっくに終わっている。

1970年代の好況期には、財閥が確実に韓国経済を年間9%ずつ成長させた。

4月26日に発表された統計によると、韓国の第1四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比2.8%の小幅な増加となった。
2011年の経済成長率は3.6%だった。

多くの国はこうした成長を羨むだろうが、この数字は、李明博(イ・ミョンバク)氏が大統領選挙に勝った時に約束した7%には届かない。

中小企業の弱さが切迫した戦略問題に

李明博政権は弱い中小企業をてこ入れすることを約束した。
こうした中小企業は、新卒者を教育する余裕がなく、経験のある中年労働者を採用したがる。
だが、歴代政権は1980年代以降、財閥から中小企業に重点を移すと約束しながら、結果を出せていない。

韓国の中小企業の弱さは、アジア第4の経済大国である韓国にとって、切迫した戦略上の問題となりつつある。
複数の有力財閥(特に造船や重工業といった産業)が次第に中国に脅かされるようになっているためだ。

日本は専門特化した強い中小企業を抱えているため中国の台頭をある程度乗り越えたが、韓国経済にはそのような奥行きがない。

しかし、オウさんが勉強しているソウルの予備校の学生の多くは、賃金が安く、福利厚生が手薄なために、中小企業で働くことは考えていない。

「みんな、あらゆる企業に応募しますが、中小企業から面接の話があると、行かないことが多い」。
キムとだけ名乗る26歳の女子学生はこう言う。

財閥に就職できなくても、中小企業は嫌?

こうした態度の結果、中小企業の求人が埋まらない状況になっている。
「昨年は、埋められなかった中小企業の求人が25万人分あった」。
韓国の中小企業連合の幹部、イム・ヨンジュ氏はこう話す。
「中小企業の欠員の水準は財閥の3倍に上っている」

若年失業率の高さを考えると、雇用全体の90%を提供する中小企業のこうした数字は異様だ。
多くのソーシャルワーカーは、8.3%という30歳未満の失業率の統計は、まともな仕事を見つけるチャンスに絶望し、例えば店舗で働いたり、勉強を続けたりする多くの若い大卒者を計算に入れていないと話す。

営業の仕事を希望している25歳のジュン・スンウさんは、
「中小企業での仕事は、財閥の仕事を得るまでの一時的なステップと見なされている」
と言う。

中小企業はよく、財閥は非現実的な低価格を要求して中小企業を圧迫し、弱くしていると言う。
財閥はまた、成功した中小企業を買収し、人材と資産を剥ぎ取っていくと批判されることも多い。

前出のイム氏は、政府は中小企業で働く人に補助金や優遇税制を与えることによって中小企業を強化すべきだと訴える。

大統領選の火種にも

最終的には、雇用の質に対する苛立ちが12月の大統領選挙で政治的に噴き出すかもしれない。
多くの若者は、政治経験がないにもかかわらず、財閥に批判的な人気のインターネット起業家、安哲秀(アン・チョルス)氏に無所属の大統領候補として出馬してほしいと思っている。

我々が抱えるすべての社会問題の根っこは、雇用にある」。
安氏はこう語っている。
「公式には失業率は3.5%程度だが、これが現実を反映していないことは誰もが知っている」

By Christian Oliver and Kang Buseong
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朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/17 09:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/17/2012051700549.html

「韓日が先にハイレベルなFTAを締結すべき」

韓日経済協会・趙錫来会長が主張

韓日経済協会の趙錫来(チョ・ソクレ)会長は16日、大阪で行われた第44回韓日経済人会議の席上
「韓国や日本などのアジア諸国も、欧州連合(EU)のような経済統合を実現し、一つの巨大な市場を形成して、持続的かつ安定的な成長を目指すべきだ」
と語った。

趙会長はまた
「アジアがEUのように成功するためには、韓国と日本がハイレベルな自由貿易協定(FTA)を先に締結し、これをアジアの全ての国が参加する市場統合のモデルとして位置付けるべきだ」
と強調した。

今年交渉に着手する予定の韓日中FTAをめぐっては、中国側がデリケートな品目を除外したり、自由化のスピードを緩めたりするなど「低レベルなFTA」を追求するものと予想されるため、韓国と日本はハイレベルなFTAの締結を通じ、アジア圏の理想的な経済統合を主導していくべきだというわけだ。
趙会長は
「韓国と日本が譲歩すべき点については果敢に譲歩し、FTAを早期に実現すべきだ」
と求めた。

韓日経済人会議は、韓日両国の経済人たちが集まり、経済協力の促進に向けた方策について話し合う民間レベルの会合で、両国で交互に開催されている。


韓中のFTAでは、韓国は中国にやられてしまう。
韓国としてはどうにかして日本を引っ張り込みたい。
あの手この手でラッパを吹く。
だが日本はそっぽを向いている。
韓国の下向き経済をなんとか支えているのは中国との交易の拡大という手段にたよっているからである。
もし、韓国経済から中国分を抜くと、没落に足を突っ込んでいる状況が浮き彫りになる。
しかし、中国は急速に韓国を追い上げている。
あと10年もすれば韓国経済は中国に飲み込まれてしまう。
その瀬戸際をなんとか救って欲しい、というのが韓国の日本に対する本音であり切なる願いでもある。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/26 10:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/26/2012052600439.html

対EU輸出不振、韓国経済を直撃も

ギリシャの財政不安が再燃し、韓国の3大輸出市場のうち、欧州と中国の経済が動揺の兆しを見せ始め、韓国経済にも警戒ランプがともった。
韓国の輸出で、欧州は10%、中国は24%、合計で3分の1を占める。

24日に発表されたユーロ圏の5月の総合購買担当者景気指数(PMI)は45.9で、4月の46.7に比べ下落し、2009年6月以来最も低い水準に落ち込んだ。
PMIは企業の発注・生産、在庫、雇用状態などを調査し、数値化したもので、指数が50を下回れば、製造業の景気が前月に比べ悪化していることを意味する。

中国経済も不安だ。
第1四半期(1-3月)に底入れが期待されたが、第2四半期(4-6月)も景気後退が続いている。
HSBCが調べた中国の5月のPMIは48.7で、前月の49.3よりも悪化した。
両市場の動揺で、韓国の輸出は打撃を受け始めた。4月の韓国の輸出伸び率は前年同期比で4.7%減となった。

■対EU輸出急減による影響

現代経済研究院は24日「欧州経済の低迷が韓国の輸出に与える影響」と題する資料をまとめ、ユーロ圏の輸入が20%、30%減少すれば、韓国の対ユーロ圏輸出がそれぞれ111億ドル、167億ドル減少すると予測した。
同院のチュ・ウォン研究委員は「ユーロ圏への輸出が30%減少すれば、韓国の名目国内総生産(GDP)が1ポイント以上減少する」と述べた。

最近の経済状況悪化で、中国の輸入減を予想したデータがないが、輸出の25%を中国に依存する韓国は、対中輸出が減少すれば、影響はさらに大きい。
ただ、中国政府が景気浮揚策を検討しており、ハードランディングの可能性は低いとみられている。

しかし、中国の場合、輸出減少による直接的な影響のほか、間接的な悪影響も懸念され、予断を許さない。
全国経済人連合会(全経連)のペ・サングン経済本部長は「韓国が中国に輸出する部品の相当部分は、単純な組立工程を経て、欧州に再輸出される。
欧州の状況が悪化すれば、中国経由の輸出も減少すると考えるべきだ」と指摘した。

■消費も不振、政府財政も限界

韓国の経済成長率に対する輸出の貢献比率は50%に達する。
問題は輸出が不振となった場合、それを内需で埋め合わせることもできない点だ。
多額の負債を抱える家庭の消費が不振な上、韓国政府は今年の予算の60%を上半期に集中して執行したため、財政出動を通じた景気てこ入れも難しいのが実情だ。
その上、ユーロ圏の財政危機が世界的な金融不安を引き起こし、投資も減少している。

高麗大のオ・ジョングン教授は
「最近の韓国経済の低迷は、少なくとも年末まで続くとみられる。
欧州危機が深刻化すれば、中国の経済成長率が6.4%まで低下するとの予測もあり、その場合は韓国も3%成長さえ容易ではない」
と分析した。


韓国経済は中国に依存している。
冒頭の表でわかるように、韓国経済は中国経済でもっている。
その割合は1/4にものぼる。
その中国が減速している。
とすれば、当然影響は大きい。
韓国としては中国の経済状況にあわせて国内経済をコントロールしていかなければならないのだが。
つまり中国が減速すれば、韓国もあわせて減速し、上昇するときは一緒に上昇するという形だ。
しかしそうなってはいない。
中国への依存度を増やすことによって景気を支えてた枠組みは、その上昇景気スタイルで減速の明日を迎えようとしている。
韓国がFTAにあせるのは、この理由によってだ。

ECは国家連合体である。
リスクの分散ができる。
10%の依存度でリスク分散ができれば、ほとんど致命的な危機は発生しない。
他方中国は一国である。
そして貿易依存度が25%。
刷り間違いをしただけで、韓国は奈落に落ちることになってしまう。
今、韓国は中国あっての韓国になっている。
経済的は中国の支配下にあるといってもよい。
中国の存在によって、韓国の存在が許されているといってもよい。
中国なしで韓国経済は存続できない状況にまで到ってしまっている。
いいかえると、中国という麻薬を吸ってしまったということである。
もはや逃れられなくなってしまっている。
なんとか正気を保ちたいと切望する願いが日本というわけである。




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