2012年5月8日火曜日

「一人っ子政策」緩和時期はいつ? 中国の適正人口は?

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● 一人っ子政策を呼びかけるスローガン



レコードチャイナ 配信日時:2012年5月8日 5時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61064&type=0

「一人っ子政策」そろそろ緩和すべき
さもないと中国の人口は百年後に約3分の1に



 2012年5月5日、爆発的な人口増加を抑えるため、夫婦1組につき原則として子供を1人しか持てない「一人っ子政策」を実施している中国だが、このまま続ければ100年後には現在の約3分の1に人口が減り、深刻な高齢化社会に突入する、と専門家が警鐘を鳴らしている。台湾NOWnewsが北京日報の報道として伝えた。

 米スタンフォード大学のジェームズ・リアン(梁建章)博士と米ミシンガン大学の客員研究員、李建新(リー・ジエンシン)北京大学教授が共同でまとめた著書
 「中国人太多了[口馬]?(=中国人は多すぎるのか?)」
で指摘された。

 中国で2010年に10年ぶりに実施した国勢調査の結果によると、中国本土(香港、マカオ、台湾を除く)の総人口は「13億3972万4852人」に達した。
 前回調査時より約7000人増えたが、出生率は1.5を割り込み、人口増加を維持するために必要な合計特殊出生率(女性が一生の間に生む子どもの数)2.1を下回っている。

 出生率が1.5以下ということは、次の世代の人口は今より約30%も減ることになり、長期にわたる人口のマイナス成長期に入ったことを意味する。
 実際、過去20年間で若者の人口は約30%減少し、人口構成が激変した。

 経済成長真っただ中の国で出生率が下がるのは良くあることで、例えば日本も1.2~1.3にまで落ち込んだ。
 だが、こうした国は自らの危機的状況を自覚し、出生率上昇のための様々な施策を打ち出している。
 一方、中国は一人っ子同士の夫婦に第2子出産を認めているものの、こうした夫婦が多いとみられる上海の出生率はすでに0.7にまで低下している。

 このままでは高齢化はかなり深刻な状況となり、国際競争力が著しく低下するのは必至。
 報告は
 「一人っ子政策を緩和すれば、人口が爆発的に増えるという懸念は必要ない」
との見方を示し、政策緩和を訴えている。

 報告はまた、国連が2011年に発表した「人口予測報告」を引用し、中国が出生率を1.8程度に維持すれば100年後の人口は9億人だが、出生率が1.5を割り込めばこれが5億人にまで減少すると指摘。
 15歳以下が占める割合は10%を下回り、65歳以上の高齢者が40%以上を占めるという深刻な少子高齢化を迎えると警鐘を鳴らしている。


 中国政府もいつ一人っ子政策を緩和すべきかタイミングを狙っているところだろう。
 都市化し、生活が向上すると、社会関係に金銭支出が多くなり人口は増えない。
 一人っ子政策を強化しすぎると、豊かな生活へのあこがれが強くなりすぎ、子どもを多くつくることを嫌うようになる。
 子どもをたくさんつくって生活保障をするという考えから、子どもを少なく産んで教育にお金をかけるという方向に動いている。
 これが行き過ぎると、大きな障害になる。

 日本の場合、半世紀で人口を1.5倍と爆発的に増やして経済成長を遂げたが、逆に向こう半世紀はその後遺症に悩むことになってしまった。
 日本の適正人口は8,500万人から9,000万人と言われている。
 今の人口の2/3くらいである。
 これは1.5倍に増えたものが、元に戻る数値なので、適正といって差し支えない。
 同じように韓国も過剰人口で苦しんでいる。
 今の人口は4,900万人。
 何しろ、後進国といわれるバングラデイシュに迫る人口密度である。
 圧倒的な人口過剰に陥っている。
 ここの適正人口は3,600万人くらいとされている。
 これも2/3から3/4くらいの人口減が必要ということになる。
 
 なら中国にとって、適正な人口とはいくらなのか。
 社会的豊かさを維持しての適正人口とは。
 この数値を割り出すのには、まだ中国の歴史は浅すぎる。
 やっと、ごく一部が豊かな生活をエンジョイできるようになったにすぎなのだから。
 10億から12億くらいだろうか。
 現在の人口は13億4千万人という。
 15億というのは、過剰すぎのように思えるが。



レコードチャイナ 配信日時:2012年5月11日 18時39分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61161&type=0

たった1人のわが子を…「一人っ子」を亡くした親は全国で100万組を超えるか

 2012年5月8日、手塩にかけて育てたわが子を亡くした親の悲しみは筆舌に尽くし難い。
 ましてやそれがたった1人の子どもだったら…。 
 中国紙・広州日報は、ある日突然大事なわが子を奪われた親たちの悲痛な叫びを特集した。

 ご存じの通り、中国では夫婦1組につき原則として子供を1人しか持てない「一人っ子政策」を実施している。
 だが、万が一、妻の妊娠可能な年齢を過ぎてから不慮の事故などで子どもを亡くした場合、その悲しみや苦しみは計り知れない。
 やっとわが子を大学に入れ、あとは卒業、就職、そして結婚、孫の誕生…と楽しい老後が待っていたはずなのに。
 社会保障制度が十分でない中国では老後はわが子に頼るのが一般的だが、その頼みの綱がいなくなったら誰が面倒を見てくれるのかといった不安も募る。

 わが子を亡くした悲しみを夫婦で共有し、助け合って生きていければまだよい。
 だが、夫があまりのつらさに耐えきれず家を出て行ってしまった、夫が病気になり早々にこの世を去ってしまった、などさらに悲惨な状況に追い込まれる母親も多い。
 老人ホームに入っても、周りはみな子や孫が頻繁に面会に来てくれる。
 そんな姿を横目にため息をつきながら、人生最後の時間をただ静かに過ごすだけ―。

 では、大事な一人っ子を亡くした親は中国全土に一体、どれほど存在するのか?
 中国にはそれに関する統計がないため、同紙記者が独自に概算してみた。
 国家統計局によると、2011年時点の総人口は13億4735万人。
 2009年に実施した調査によると、そのうち15~19歳の割合は7.17%、20~24歳は7.52%、25~29歳は6.48%だった。

 では、一人っ子が占める割合はどうか。国防大学の劉明福(リウ・ミンフー)教授によると、人民解放軍で一人っ子が占める割合は70%、作戦部隊だけでみると80%を超える。
 この割合を基にすると、15~30歳の一人っ子は少なくとも1億9000万人に上る計算になる。

 一方の死亡率だが、中国衛生部が発表した「2010中国衛生統計年鑑」によると、15~30歳は10万人当たり40人。
 つまり、毎年この年代の一人っ子の約7万6000人が亡くなり、それと同じ数の家庭が悲しみのどん底に突き落とされたことになる。

 記事で紹介された、ある父親が住む江蘇省太倉県では総人口71万7200人に対し、一人っ子を亡くした親は115組。
 この割合で計算すると、中国全土で実に100万組以上の親が大事な一人っ子を亡くして途方に暮れている計算になる。


 まだまだ哀しみは続くだろう。



レコードチャイナ 配信日時:2012年5月23日 5時22分
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10年後、中国はかつてないほど恐ろしい難題に直面する―英紙



 2012年5月20日、英紙タイムズの総括論説委員、アナトール・カレツキー氏は、中国は10年後、かつてないほど恐ろしい難題に直面すると論じた。
 中国紙・参考消息が伝えた。

 カレツキー氏は
 「ある意味、中国はもはや世界で最も重要な経済大国にのし上がった」
としながらも、
 「今後は経済、政治、社会保障が抱える難題を克服する必要がある」
と説く。
 今の中国には数多くの高層ビルや高速道路があり、地下鉄や高速列車も走っている。
 だが、中国はいまだに貧困国だ。
 国内総生産(GDP)の数値は巨大だが、1人当たり平均ではロシアやブラジル、メキシコにも及ばない。
 中国がGDPで米国を抜き世界一の経済大国となっても、1人当たりの平均収入は米国人のわずか4分の1にとどまるだろう。

 同氏は
 「経済の発展に伴い、政治を専制から民主へと徐々に移行させた方がよいという考えは間違っていることを中国は証明した」
と指摘する。
 中国とインドを例にとると、民主は経済発展に不利だということが分かるという。
 1990年以降、中国では約3万マイル(約4万8280km)もの高速道路が作られたのに対し、インドはわずか300マイル(約482km)。
 中国は何事も決定までの道のりが短いが、インドは数年から数十年はかかるからだ。

 では、中国が10年後に直面する最も恐ろしい難題とは?

 「それは、一人っ子政策が引き起こす人口の高齢化だ
と同氏。
 そして、それに追い打ちをかけるように
 「政治と経済の矛盾」
も今よりさらに深刻になっていると警鐘を鳴らしている。




レコードチャイナ 配信日時:2012年5月29日 11時46分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61632&type=0



中国の出生性別比、男118:女100=異常な不均衡、続く

 2012年5月27日、中国広播網によると、結婚できない女性を指す「剩女」が社会問題として扱われることが多いが、実際には結婚できない
 男性「剩男」の方が深刻化している

とが最新の統計で明らかになった。

 中国国家人口計画生育委員会が発表した最新の統計によれば、
 中国の出生人口性別比は女の子100人に対し男の子は118人
と極めてアンバランスな状態となっている。
 出生人口性別比は103~107が国際的に認められる一般的数値だが、
 中国は2008年に最悪の120.56を記録
している。

 南開大学人口・発展研究所の原新(ユエン・シン)主任は、性比アンバランスの主因として古くから続く男尊女卑の考え方を挙げ、かつては男の子が生まれるまで子どもをつくり続けたが、産児制限が行われると「両非」(非医学的理由による胎児の性別鑑定と妊娠の中絶)が増加し、現在のような状況を生んだと指摘した。

 2020年には3000万人もの男性が結婚できないと予測され、そうした状況は将来的に高齢者の生活や社会保障にも大きな影響を与えるとみられている。
 2011年8月から「両非」に対する取り締まりが強化されており、今年はさらに「出生人口性別比の重点管理年」と定められ、国民意識の改善も進められているという。




レコードチャイナ 配信日時:2012年6月6日 8時17分
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<レコチャ広場>中国は一人っ子政策を止めるべき!人口大幅減の前兆があちこちに

 2012年6月3日、現行の人口抑制政策に反対を唱える中国の人口問題研究家、何亜福(ホー・ヤーフー)氏が
 「中国の人口減少の兆し」
と題した記事を中国のブログサイト・鳳凰博客に掲載した。
 以下はその内容。

 2012年の大学入試センター試験の受験者は全国30省(市・区)で約900万人。
 2008年以降、その数は年々減り続け、4年間で約140万人減となっている。
 その原因は低年齢人口の減少だ。中国国家統計局が発表した 「2011年我が国の人口総数および構造変化に関する状況」によると、中国で昨年、0-14歳人口が総人口に占めた割合はわずか16.5%。これに対し、15-64歳は74.4%だった。

 低年齢人口の減少は人口のマイナス成長の前兆である。
 また、地域別でみても、例えば上海市の戸籍人口は18年連続、山東省威海市も13年連続でマイナス成長が続いている。
 このほか、最近、ブログ読者から
 「江蘇省常熟市の人口が15年連続でマイナス成長」
との情報が届いたので、早速調べてみた。

 「2011年常熟市国民経済と社会発展統計公報」によると、昨年末時点で同市の戸籍人口は前年比275人増の106万7200人。
 同年の出生人数は7083人、出生率は6.64パーミル(千分率)、死亡人数は7958人、死亡率は7.46パーミル、人口の自然増加率はマイナス0.82パーミルだった。

 戸籍人口は増えているのに、死亡人口が出生人口を上回っているということは、何を意味するのか。
 筆者は外来人口が同市の戸籍を取得するケースが増えているのではないかと推測する。
 これを中国全体に置き換えると、人口の自然増加率がマイナスでも、外国から大量の移民が流入していれば、「住んでいる人」の数はマイナスにならないということになる。

 同市の2010年の「公報」によると、合計特殊出生率(1人の女性が生涯で産む子供の数)は0.84だ。こ
 れほど低い値を示しているのに、市は公報で「同市の人口は依然として増加を保っている」と報告している。
 何という思考回路なのか。

 この思考回路でいけば、将来、中国の合計特殊出生率が0.84でも、人口の自然増加率がマイナスでも、常住人口(その地に6カ月以上住んでいる人の数)がプラスなら構わないということになる。
 それはつまり、中国人が減っても、外国からの大量の移民がこれを補えば問題ないということだ。

 それでも、国家人口計画生育委員会(まだこの部門が存続していれば、だが)は胸を張って
 「我が国の人口は増加を保っている。
 一人っ子政策は続けるべきだ!」
と宣言するのだろうか。(翻訳・編集/NN)

●何亜福(ホー・ヤーフー)
 中国の人口問題研究家。1967年ベトナム生まれ。
 1968年に中国に帰国。中国の主要メディアに数多くの文章を発表している。


 中国の耕地面積からすると、中国が支えられる人口は13億人というデータを前に読んだことがある。
 もしかしたら、中国は国土に適した人口を13億人においているのかもしれない。
 人口というものは、ただむやみに増やせばいいものでもない。
 毛沢東時代の「産めよ増やせよ」政策の歪がどうもあちこちに出始めているようだ。
 それが、現在の中国の老齢化社会の危険性を生んでいる。
 大局的な見地から、中国の自然環境や社会生活レベルなどを懸案して適正な人口とはどのくらいなかを見定めながら、おそらく当局は対応しているのではないだろうか。
 でも舵取りの失敗ということもありえるから、論拠は透明にしたほうがいい。






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